続・隣人はクールな同期でした。

やっぱり聞けないや。
『泉海さんから聞いたよ。
 両想いだった時期があったんでしょ?
 今はどう思っているの?』


…なんて、絶対ムリ。

アタシにとってみたら
世間話程度に聞けるような内容じゃない。


「セツナ…
 マリカさんから何か聞いたりしたか…?」

「え…」


まさかのジンの方から
たどたどしく明らかに動揺した声質で
“その”話題に触れてきて
アタシは思わず硬直。


彼女から直接聞いた事を知っているのか
それとも知らないから探っているだけなのか…


「聞いたって…なんの事?
 何か…あるの?」


それとなく本人から聞き出そうしてしまう。


“今も好きな事実”なんて聞いたら
…立ち直れなくなりそうだけど。


「…いや、なんでもない」


あー…結局言わないんだ。

それってつまり
まだ少しでも彼女に気持ちがあるって意味なのか…。


「…ごちそうさま」


そう思うと
食欲が失せてしまい箸を置いてしまった。


意味深な質問だけして
肝心な事は言わない。

でもそれが答えなんだろうなって
アタシの中で何かが繋がったーーー

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