続・隣人はクールな同期でした。

『離婚した』って言っていたけれど
その事で悩んでいるのか?

もしそうなら
この人の精神面は…



「大丈夫ですか…?
 何か困っているのであれば
 良かったら話なら聞きますが…」


思わず声を、救いの手を
差し伸べてしまった。


「え…」


思ってもみなかった返答だったのか
彼女の動揺がわかる。

それもそうか。
久しぶりに再会したサークル時代の後輩に
いきなり『悩み聞きます』なんて言われても
『は?』って思うな…。

俺はそう考えていたが…


「ジンくん…ッ」

「え…」


突然、胸に飛び込んできたマリカさん。

まさか泣いてる?

さっきとはまた別に
小刻みに震えている。


「落ち着いて…マリカさん」


彼女の行動に俺自身も戸惑い
背中を軽く摩るくらいしか出来ねぇ。

こんな画を誰かに見られたら
確実に誤解されるなと
感じながら―――


「…ごめんなさい、いきなり…」


少しして泣き止んだマリカさんは
俺から離れ涙を拭っている。


「平気…?」


こういう場合の対処がわかんねぇ…。
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