続・隣人はクールな同期でした。
泣いてる女に慰める言葉とか
何をしたらいいとか
(セツナが泣いたときは抱きしめたが…)
マジで勉強不足だ…
「ジンくんが優しくて
涙が出ちゃった…」
『驚かせてごめんね』と言いながら俺から離れ
キッチンのカウンターに置いてあったティッシュを取ると
彼女は涙を拭いている。
優しくした覚えはねぇけど…
この人からしてみたら
何かがそう映ったのか?
「離婚した理由を何も聞かないのは…
気を使ってくれているからなんでしょ?」
そういう事か…。
確かに…彼女の言うように気は使う。
いくら俺でもこんなセンシティブな人に
直球な質問は出来ねぇって…。
メンタルをズタボロにするだけだろ。
「まぁもう無事に裁判とか全部終わっているし
話しても全然構わないんだけどね」
ニコッと彼女は笑顔を見せたが
“必死に強がって笑っている”
俺にはそんな風にしか見えなかった。
「無理に話す事は―――」
「喧嘩ばっかだったのッ」
言い掛けた俺の言葉を
遮るように声を張るマリカさん。
そこから一気に流れるように
話始めた。