続・隣人はクールな同期でした。
「よく聞く“価値観の違い”ってヤツかな。
たぶんそれが1番大きな原因だと思う。
結婚するまでの期間がとても短かくて
お互いの知らないところも多かったせいか毎日ぶつかってたんだよ。
彼の事を何もわかってあげられなかったのがいけなかったんだけどね…。
それで些細な気持ちのすれ違いが徐々に大きくなっていって
いつの間にか修復出来ないところまで来ちゃったから…
終わっちゃった」
説明し終わったマリカさんは
またさっきのような辛そうな笑顔を作って見せた。
理解してあげられなかった事への後悔…
そうも思える。
「言わせてごめん…」
「どうしてジンくんが謝るの?
勝手に話したのは私なんだから気にしないで」
そう言われても喋る側も聞く側も
ノーマルテンションじゃいられない内容だ。
「それに…
ココに来る前は気持ちが沈んでいたんだけど
ジンくんとまたこうして再会出来た事は素直にとても嬉しいの。
会えて、良かった」
俺に向ける今の彼女の笑顔は
穏やかな優しい表情をしている。