続・隣人はクールな同期でした。

―――“好きだった人に会いたくなった”―――




想像はしたくないけれど
ありえそうな気がして
そう思ってしまうと
『やっぱり2人は…』なんて
その先まで意識が持っていかれる。


信じたい気持ちと
どうしても切り離せない不安が入り混じる。


「もっと帰りづらくなった…」


結局…
1階のエントランスまで降りてきてしまい
沈んだ気持ちのまままた振り出しに戻る事となり
近くの椅子で項垂れてしまった。



「あー…
 逃げてどうする、逃げて。」 



本当は強く逞しくガツンと
『アタシという彼女がいながら
 他の女に浮気するなんてどういう事!?』
と、激怒すべき案件なのに。

いや、まだ浮気と決まったワケじゃないのだけど。


それにジンの事だから
『は?何言ってんだ。んなワケねぇだろ』って…
否定するか。

そりゃそうか。
浮気してる人間が
『はい、浮気しています』なんて
バカ正直に答えるワケがないか。

って、だから浮気って決まってないってば。


もう誰に向かってツッコミを入れているのか
頭の中は葛藤でいっぱい。

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