続・隣人はクールな同期でした。
本当、こういうところが優しい。
でもその優しさが女にとっては勘違いの元だし
それが仇となって付け込まれるんだよね。
本人はたぶん…いや、絶対
確実にわかってないと思うし。
「ジンさぁ…
今日ってもしかして…
泉海さんの部屋に行った?」
「え…」
ジンにとっては
思わぬ衝撃的な質問だったんだろう。
席に座ろうと椅子を引いたまま硬直。
『なぜ知っているのか』って言いたそうに
目を大きく見開いて驚いた顔をしている。
図星…か。
「お前…どうしてその事を…」
ほら、言った通りの反応。
どうやら本当に
あの人の言っていた事は当たっていたみたい。
「1度ココまで帰ってきたんだけど
ジンが彼女の部屋から出てくるところを見掛けたから…
引き返したというかなんと言うかーーー・・・」
『居たたまれなくなり逃げました。』なんて
言うに言えずに最後の方はモゴモゴと終わらせてしまった。
「…そうか、見ていたんだな」
さっきまで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたのに
冷静さを取り戻し呆気なく認めている。