続・隣人はクールな同期でした。

見ていたってわかって
まさか…開き直るの?

嘘をつけるようなヤツじゃないから
隠さないとは思っているよ。
でも開き直りも受けるダメージは同じ。


「アタシの聞きたい事は
 もうわかっていると思うけど…」


わざと『何しに行ったのか』って
問い質さなかった。

自分から言ってもらおうとしているアタシは
イジワルだ。


「…あぁ、わかってる。
 セツナが思っているような事は
 何もねぇよ」


アタシの目を見ながら否定してくれた。

確かにその答えは大事だけど
実際に聞きたかった答えとは少し違う。


「…何をしに行ったの?」


結局聞いてしまう自分の弱さ。
でも本当は
一刻も早く聞きたくて仕方がなかった。
女の部屋に行く目的を。


「それは…」


言いづらいのか
言いたくないのか
急にアタシから視線を外し口籠ってしまった。


「なんなの…?
 言えない理由でもあるの?」


徐々に不信感が募り
ドクドクと心拍数も上がるのがわかる。


「言えないワケじゃねぇよ。
 ただあの人は…
 今は情緒不安定で…」


まさか…あの人を擁護しているの?
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