続・隣人はクールな同期でした。

アレだけ略奪宣言しておきながら
“覚えてない”って…
さすが悪の帝王。


「まぁ別にいいんだけどね。
 ただ…キミに言われた
 “付き合ったばかりの関係は亀裂が入りやすい”っていうのが
 わかったような気がしただけ」


発言したこのコ本人に言ったところで
『ほら、言った通りになった』って
嘲弄されるだけなんだろうけど。


そんなアタシのメンタルとは裏腹に
さすが風見くん。


「じゃぁ別れちゃえばいいじゃないですか」


しれっと核心に触れてくる。

その言葉に唖然とするも
彼は平然としたまま
『そう思いません?』なんて続けてきた。


「そんなアッサリと…」


『はぁ…』と思わず溜め息。

別れる選択を余程楽しんでいるのか
他人の修羅場を楽しんでいるのか…

まぁこのコじゃ言うか…。


「今日のセツナさん
 だいぶ弱ってますねぇ」

「そんな風に見えるんだ…」

「今にも泣きだしそうな顔しています。
 なんなら俺が慰めましょうか?
 傍にいますよ?
 お望みなら添い寝だって。
 あの人と別れて俺にしたらどうですか」


あいかわらずな軽口な告白。
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