続・隣人はクールな同期でした。

両膝に外傷を受けて
肩と足首を庇いながら歩く姿は
きっとまわりから見れば
何かの事件に巻き込まれたって思うかもしれない。

だけど、やる事がいっぱいで
今はそんな事すらスルー。

痛々しく見える体を引きずって交番を探したが
こんなときに限って簡単に見つからず
体はちょっと限界で…


「…ッ」


妙な息切れと怠さ。
それと脈が飛んでいる感覚がわかり
壁に手を付きズルズルと腰を落としてしまった。

最悪な不整脈…


偶然にも立ち止まった場所は
昼でも人が多い食料品店の駐車場。


店員さんに事情を説明して
警察に連絡してもらおう。


そう思った
まさにその時だった―――



「七星さん!?」


アタシを呼びながら
店の入り口から駆け寄ってきたのは
こんな時には絶対会いたくなかった
そう…あの人。


「泉海さん…」


魔性の彼女だった。


「え、何ッ!?
 どうしたの!?
 なんでこんなボロボロ!?
 え、ヤダ!血ィ!!」

「ひとまず落ち着いてください…」


血相を変えてパニック状態の泉海さんを
どうしてアタシが制止しているんだろうか。

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