続・隣人はクールな同期でした。

断固としたアタシの決意に
泉海さんも諦めたのか
不安な表情のまま一緒について来る事に。


ようやく近くの交番に辿り着くと
中にいた警察官に驚かれてしまった。

こんなボロボロな姿で駆け込めば
まず間違いなく何事かと思うわな。

被害届の手続きをし
悪用を防ぐために携帯やらクレジット会社に連絡しないと…


「って、スマホ盗まれてんだから無理じゃん…」


思わず自分にツッコミ。

何もかもを紛失するって
本当に大変だと痛感した瞬間だ。

交番で電話貸してもらえるかな。
なんて考えていると――


「私ので良ければ貸すよッ
 使って!」


終始ずっと不安そうな泉海さんは
『私にも何か出来る事があれば』と
自らのスマホを差し出された。

この前の陥れようとした発言とは大違い。
普通なら怪しまないといけないんだろうけど
さすがにこの状況じゃ
アタシもそこまで考える余裕なんてなくて。


「ありがとうございます…」


彼女の厚意に甘える事にした。

盗まれなかったスケジュール帳に
クレジット会社等の控えがあったのは
ラッキーだったと思う。

< 99 / 151 >

この作品をシェア

pagetop