続・隣人はクールな同期でした。
断固としたアタシの決意に
泉海さんも諦めたのか
不安な表情のまま一緒について来る事に。
ようやく近くの交番に辿り着くと
中にいた警察官に驚かれてしまった。
こんなボロボロな姿で駆け込めば
まず間違いなく何事かと思うわな。
被害届の手続きをし
悪用を防ぐために携帯やらクレジット会社に連絡しないと…
「って、スマホ盗まれてんだから無理じゃん…」
思わず自分にツッコミ。
何もかもを紛失するって
本当に大変だと痛感した瞬間だ。
交番で電話貸してもらえるかな。
なんて考えていると――
「私ので良ければ貸すよッ
使って!」
終始ずっと不安そうな泉海さんは
『私にも何か出来る事があれば』と
自らのスマホを差し出された。
この前の陥れようとした発言とは大違い。
普通なら怪しまないといけないんだろうけど
さすがにこの状況じゃ
アタシもそこまで考える余裕なんてなくて。
「ありがとうございます…」
彼女の厚意に甘える事にした。
盗まれなかったスケジュール帳に
クレジット会社等の控えがあったのは
ラッキーだったと思う。