最初で最後だから。
私の秘密
『ねぇ琴羽はどこの大学行くの?』
教室の隅で1人窓から見える景色を
ぼーっと眺めていた私に問いかけた。
そう聞いてきたのは幼なじみの夏美。
今年は奇跡的に同じクラスになれたのだ。
『大学って言ってもやりたいこととかないし
行けるとこ行って普通の生活を普通に
送るのが私には合ってるんだろうな』
なんて微妙な顔して笑う私を見て
夏美もまた微妙な顔して笑った。
< 1 / 8 >