最初で最後だから。
ぱぱが急にいなくなったのは

私が小学校1年生の終わりごろだった記憶がある。

帰ってくるはずの時間に帰ってこなかった。

『まま?ぱぱはお仕事まだ終わらないの?』

『そうだよ。今日はパパお仕事大変みたい』

その普通の会話の中に幼かった私は

何か少し胸騒ぎがした。


それから何日経ってもぱぱは帰ってこなかった。

何回もままに聞いた。

『ぱぱどこ行ったの?お仕事なの?』

ままは日が経つにつれて複雑な表情で微笑むだけになった。
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