ピュアな君に俺は恋をした

車に戻ると車の側に40歳後半くらいの男がいた
窓を叩いて

「瞳！開けろ！」

大きな声で言っている

「誰だ⁇」

男は振り向いた

「俺か⁇俺はこいつらの父親だ！
瞳がいたから声をかけたんだ
それの何が悪い！」

車の中で瞳はガタガタ身体を震わせていた

「この子に何をしたのか
わかってるのか⁇」

「はあ〜何って⁇
しつけだよ！こいつバカだから
教えてやっただけだよ！し・つ・け」

殴りたい衝動に駆られた

「洸さん！その人の事はいいから
行きましょう！」

姉の柚も怖いからそう言ったと思っていた
後で考えたら怯える様子はなかった
その時俺は父親の発言に腹が立って
いたから気がつかなかった

俺はとりあえず車に乗り瞳を落ち着かせ
車を出した
瞳に

「もう大丈夫だから」

と言うと

「大丈夫…大丈夫…大丈夫…大丈夫…」

と繰り返し言っていた

かわいそうに怖かっただろう
ルームミラーからチラチラと瞳を見た