ピュアな君に俺は恋をした
俺達は会議室に入った

「瞳ちゃんはサヴァン症候群って事は
言いましたよね」

「はい」

「優秀な所もあるけど…
出来ない事もあるんです
その場の空気が読めなかったり…
突然パニックになったり…
興味ある物を見つけると周囲が見えなくて
突発的に行動に出たりするんです」

「そうですか…さっき花の話をしていたら
外に連れて行かれて花壇に行きました
亮平くんが好きなチューリップを
見せてくれて…
その時飛行機が見えたので
瞳ちゃんに"飛行機だよ"って何気に言ったんです
そしたら急にパニックになって…
本当にすみませんでした…」

「そうだったんですね
あのチューリップは毎年亮平くんと球根を
植えていたんです
とても仲良しでした」

「仲良しでしたという事は
今は来られていないんですか⁇」

「亮平くんは昨年の夏…
飛行機事故で亡くなりました
瞳ちゃんにきちんと説明したんだけど…
中々理解出来なくて…でも…」

佐藤さんは声を詰まらせた

「でも⁇」

「でも…瞳ちゃんなりにわかっているのか
それ以来飛行機が見えたり、飛行機と聞いたりするとパニックになるんです」

「そうだったんですね
瞳ちゃんなりに理解しているんですね」

「たぶん…
いつもパニックになると落ち着くのに
時間がかかるんです
暴れたりして大変なんです
でも…今日逢ったばかりの人に
大好きな花を見せるなんて初めてです
そしてパニックになってもすぐに
落ち着いたみたいで驚いています」

「僕もどうしたらいいのかわからず
あんな行動を…」

「新田さん…新田さんなら瞳ちゃんの力に
なれると思います
これから瞳ちゃんをお願いします
私もサポートしていきますので」

「ありがとうございます」

「ちなみになぜ瞳ちゃんの担当になりたいと
思ったんですか⁇」

「わかりません…
でもあのピュアな目を見たら自然に
担当になりたいと思いました」

「そうですか…」

そう…
なぜ彼女の担当になったかなんて
俺にもわからない






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