ノクターンⅡ
19
子供達は、4人ですぐ近くの公園に行き 私はお姉様の手借りて 食事の後片付けをする。
そして、みんなでコーヒーを飲む。
「俺さ月曜日から、会社に行っても、大丈夫かな。」
智くんが、お父様とお兄様に聞く。
昨日、退職して 年明けまでは ゆっくりしてもいいのに。
智くんは、自分だけ遊んでいるようなことは したくないのだろう。
「休み明けまで、ゆっくりしていても大丈夫だよ。」お兄様が言ってくれる。
「いや。3~4日だから 仕事にはならないけれど、挨拶くらいはできるかな と思って。」
前向きな誠意に、みんなが少し 胸を打たれる。
「そうだね。来てもらえるなら みんなに紹介できるし。どうせ年末で みんなゆっくりしているから、ちょうど良いね。」
お兄様はお父様に同意を求める。
「いよいよ、廣澤兄弟揃い踏みか。誇らしいな。」
お父様は、嬉しそうに言う。
そんなお父様を見ることは 私達 みんなが嬉しい。
「私も、部長夫人だから。」私は 照れながら 言ってみる。
「それなら、私だって 副社長夫人よ。」
「私は、社長夫人だからね。」
お姉様とお母様が続き、笑い声が飛ぶ。
「何よ、ここ。社宅じゃないんだから。」
とお兄様が言って、さらに賑やかになる。
私は 笑いながら 智くんを見る。
智くんも楽しそうに、私を見返してくれる。
“今、また心が 合体したね”私達は 瞳で語り合った。
全身を駆け巡る愛と幸せに。