ノクターンⅡ

その後 私の両親、お姉様、妹と、次々と起きてくる。
 

「あら。麻有ちゃん、洗ってくれたのね。ありがとう。」

干した洗濯物を見て、お姉様が言う。

私は 笑顔で首を振り、
 
「すごく、すっきり眠れたので。」と言う。
 

やっと、智くんが絵里加と壮馬を連れて 降りてきて。

絵里加の髪を整えていると お兄様と樹君達も起きてくる。
 

「水遊びするから、子供と一緒ね。」

お兄様と智くんに お母様が笑う。
 
「お兄様も智くんも、空港まで運転してくれたし。」

私は、智くんを見て 笑顔になる。
 

「麻有ちゃんは、優しいな。俺も、沙織に言われたいよ。」とお兄様に 冷やかされる。
 


「さあ、準備ができたら 出かけるよ。」

お父様に言われて、みんながニコニコと動き出す。



まだ熱い日差しと、真っ青な空。


子供達の笑い声、大人達の話し声。


蒸れた芝生の夏の匂い。



今この瞬間の、全てが幸せだった。

 


< 139 / 228 >

この作品をシェア

pagetop