ノクターンⅡ
「そうだ。深見さんが すごく喜んでいたって 親父から連絡がきたよ。この部屋 とても綺麗に使ってあって 10年前と同じくらい綺麗だったって。」
智くんは とても、嬉しそうに言う。
「深見さん、大げさだよ。子供達もいるから そんなに綺麗じゃないのに。」
私は、照れて言う。
でも とても嬉しかった。
「今度の家も 精一杯 やらせてもらうって。麻有ちゃんのおかげだよ。ありがとう。」
智くんは 私にキスをしてくれる。
「ううん。こちらこそ ありがとう。私、この部屋に入った時 とても感激して。大切にしようって。智くんが 寛げるように 綺麗に暮らそうって思ったの。慣れてしまうと 感謝の気持ちが薄れて。この間 深見さんに会って その気持ちを思い出して 反省したの。」
私も、真っ直ぐ 智くんを見つめて言う。
「麻有ちゃんは いつも俺の事を最優先に思ってくれているよ。俺は、わかっているからね。俺も、麻有ちゃんが一番だよ。自分よりもね。可愛くて、優しくて、頑張り屋さんで。最高の奥さんだよ。」
智くんは 強く私を抱きしめてくれた。
智くんの背中に腕を回し 肩に顔を付けて。