ノクターンⅡ

「きちんと子育てなさっていて。だから とてもお利口さんなのね。びっくりしちゃったわ。」

深見さんは、絵里加と壮馬に言う。
 

「ありがとうございます。」

智くんは 子供の前で 褒められた時は否定しない。

たとえ謙遜でも それは 子供を傷つけるからと。

お礼を言うことで 私達が 喜んでいることを 察してほしいからと言う。
 


樹君達も絵里加達も 廣澤家の子供達は とても良い子だと 妹にも言われる。
 

「親に余裕があると、やっぱり違うわ。」

妹は そう言う。私もそう思う。

智くんも私も子供達を 怒鳴ったり 叩いたりしたことがない。

もちろん その子の性格もあるだろうけれど。

静かに導くことができる。
 

二人とも 大人の顔色を伺うのではなく のびのびと明るく 自己主張もできる。

これから この子達が、どんな風に成長していくのか。

楽しみでもあり、不安でもあり。

でも、智くんと一緒なら、大丈夫。


きっと間違う事はないだろう。


智くんの子供だから。
 



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