ノクターンⅡ
「本当に、ありがとうございます。新しい家も 快適に暮らせそうです。」
全部決まってお昼少し前。
新しいコーヒーを入れる。
絵里加も壮馬も 智くんから離れて 二人で遊んでいる。
「こちらこそ、ありがとうございます。本当に、楽しくお仕事させて頂けます。ご主人も奥様も、あの頃より 素敵になられて。生き方って、顔に出るんですよね。お子様達を見ても よくわかります。」
深見さんの言葉に智くんと私は、微笑み合ってしまう。
「そんなに褒めて頂いて。父に 出張費 上乗せして請求して下さい。」
智くんの言葉にみんなで笑う。
「ご主人 あの時も そんな事おっしゃって下さいましたよね。」
深見さんは笑う。
「俺、あんまり成長してないね。」
覚えていてくれた事に照れながら、智くんも笑う。