コンチェルト ~沙織
何度も熱く満たし合い、胸に抱かれて眠った沙織は、朝の光に照れて微笑む。
愛を交わした後の一体感は、恥ずかしい程、紀之が愛しい。
まだ目を閉じている紀之の胸に、そっと指で“スキ”と書く。
眠っていたはずの紀之は、沙織の頭を抱いてキスをした。
「起きていたの?」沙織は、恥ずかしそうに紀之を見つめる。
紀之は昨夜よりも、もっと愛おしそうに沙織を見て頷き、もう一度、唇を塞いだ。
淡い朝日に包まれて、交わす愛は甘美で。
紀之の思いやりに満ちた指先は、沙織のすべてを解放させてしまう。
堪えきれずに、許しを求める目で、紀之を見つめた時、
「沙織。」と切なく囁き、紀之も果てた。
激しく満たされた沙織は、恥ずかしさに責める目で、紀之を見つめる。
紀之も、同じくらい照れた笑顔で、沙織の髪を掻き乱す。
「先にシャワー、浴びてもいい?」
沙織がそっと聞くと、紀之は優しい目で頷いた。