悪役令嬢って何をすればいいんだっけ~破滅フラグは全力で回避します~
ぎゅうぎゅうと抱き締めあっている私たちをクスクス笑いながら見ていたのはお兄様だった。

「仲良しになったみたいだね。お兄様も混ぜてくれるかい?」

「兄様! 姉様は本当に美人で優しい素敵な人でした! 兄様の言う通りでした」

なに? 変なハードルが高跳びのバーレベルに上がっている気がしますよ。

そんなもの、私は飛べません‼

「私、お腹が空いてしまいましたの。朝御飯を食べに行きましょう?」

「はい! 姉様! 姉様、今日は姉様と一緒にいてもいいですか?」

なに? 私の弟マジ天使なんですけど‼

「勿論です。ヤードと一緒に読んでみたい本があったのよ! 姉様が読んであげますね」

「はい! 姉様!」

私と弟の溝は浅かったようだ!

よかった!

弟マジ天使!

微笑ましげに私たちを見ているお兄様も美しいですよ‼ 勿論‼

このふたりに断罪なんてされたら私死ねるって、マジで!

私はお兄様と弟に信じてもらえる人間になりたい‼

最後の日まで……。
< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop