悪役令嬢って何をすればいいんだっけ~破滅フラグは全力で回避します~
「難しい本を見ているんだね。」

「お兄様。私、お薬を作れる人になりたいんです」

「薬を?」

「薬を作ることができれたら国のためになるでしょ?」

「国の?」

私の言葉に兄は驚いている。

偽善的なセリフで好感度を上げたかったか、胡散臭かったか?

「カーディ、薬なら王弟殿下が素晴らしい知識を持っているんだよ」

「王弟殿下?」

「先王様が王座を退いてからできたお子様で、今は十六歳だよ」

「十六歳で薬の知識がおありなんですか?」

「うん。黒髪黒目のせいで王位継承権がないらしくて、国のために自分ができることをするって頑張っているみたいだよ」

なにその人、格好いい。

「黒髪黒目は王位継承権がなくなってしまうんですか?」

「本当は関係ないみたいなんだけどね。代々王様は金髪碧眼だったから黒髪黒目の王弟様は回りがゆるさないみたいなんだね」

王族大変。

「王族って面倒臭いですわね」

「そうだね。僕は王子に会う会議がたくさんあるけど、面倒だって思うよ」

兄は王子の補佐をするように今から王子の側につけられているのだ。

定番の王子が生徒会長、宰相の息子が副会長って流れですね!

「薬を作ることができたらお兄様の役にもたてますわね‼ 頑張ります!」

兄は蕩けそうな笑顔を作ってくれた。

掴みはOKだろう。

私はニコニコと笑いながらそんなことを思った。


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