海月達の7回目の春
あまり話をしない僕だったが、
和歌月とはよく喋った。
でも1度だけ不思議な出来事があった。
確かあれは5年生の秋ぐらいの
6時間目の時間だった、
もう授業が終わる5分前ぐらいになった時和歌月が急にガクンと頭を落とした。
僕はびっくりしたものの、
まだノートが書き終わっていなかったし、どうせ眠かったんだろうとか思いながら
黒板を写していた。
でも違った、ふと隣の和歌月を見ると
苦しそうな表情で自分の胸を押さえて
小さく声をあげているのが聞こえた。
僕はどうしていいかわからなかった。
周りは誰も気づいていない。
声を掛けていいかも分からない。
僕は何も言えず気づいたら先生が号令をかけていた。
授業が終わり、和歌月に声をかけようと思ったが、和歌月は廊下つたりながら歩いて消えていった。帰りの会ギリギリに和歌月が戻ってきた。周りの友達たちが一斉に、ゆら!どうかしたの?いなくてびっくりしたんだよ!などと声をかけていた和歌月はそれに笑顔で大丈夫大丈夫、水飲んできただけだからと言っていた。
僕は聞いていいかわからず、いや聞いちゃいけないなと思い黙って、和歌月の方を見ていた、すると目が合った和歌月は
僕をみて悲しそうな顔をして目を背けた。僕は喋っちゃいけないんだなと思って、
それ以来、和歌月とは
喋らなくなってしまった。
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