彼の愛は普通じゃない
学校が近くなると道を通る生徒も増える。
みんな私たちをみながらなにかを言っている。
彼に向けられる「今日もかっこいい!」「さすが学校の王子様!」「きゃーーー!!!」なんていうなんとも可愛らしい歓声。
それに対して私に向けられるのは「なんであんなやつと音羽様が一緒に歩いてんの?」
「あの女きっと音羽様の弱みを握ってそれにつけこんでるんだわっ!!!」そして全女子からそそがれる冷たい視線。
せめて手を離してと彼にお願いしたこともあったけれど音羽くんはそれを聞き入れてくれなかった。
まぁこんなのもう慣れっこだ。
そのうち私も別れを告げられるだろうし、そしたらもう私へのこんな冷たい視線はなくなる。そして平凡な高校生が私のもとへ戻ってくる!