彼の愛は普通じゃない

隣の席の男子に教科書を見せるなんてことは小学校ぶりだった。


意外と距離が近くて肩がぶつかる。



共学ではあるものの男子とあまり喋らない私はなれていなくてどきどきした。


「顔赤くなってるよ笑」

そう私に笑いかける彼。

数ヶ月同じクラスだったものの私は隣の席の男子の名前すら覚えていなかった。彼の名前は大山 光輝くん(おおやま こうき)というらしい。サッカー部に所属する、肌は健康色でスポーツ少年って感じの男の子だ。顔も整っていて、このクラスで音羽くんの次にモテるなんて噂があったのを思い出した。
音羽くんは色白でどちらかというと家でゲームをしているたいぷだから正反対だと思った。


光輝でいいよといわれたけれどさすがに呼び捨てはハードルが高くて光輝くんとよぶことにした。



「赤くなってないし!」


距離が近いだけで顔が赤くなったなんて恥ずかしすぎる。とっさに否定した。


「照れちゃって、かーわい」


ちょっと意地悪な笑みを浮かべる彼に目を奪われた。


はじめてできた男の子のともだち。


なんだか嬉しかった。




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