あなたの手で
夢じゃない?
えっ!?
ウソ!?
でも…。
敬一は私の方を見ると、
ニッコリと微笑んだ。
その笑顔は、
弱々しかったけど、あのときの面影はしっかり残っていた。
敬一は、
私がずっと握っている自分の手をみて、幸せそうに笑い、
「嬉しいな…。」
と聞こえないくらいに小さな声でポツリと言った。
私はとりあえず、
意識が戻ったのだからと思い、
ナースコールを押した。
すると、
すぐに看護士と医師が敬一の病室に来た。
みんな目を大きく見開き、
驚いていた…。
私もいまだに、
このいきなりの展開についていけない…。
医師は、
「奇跡だな!!当分まだ入院が必要だが、良かった!!」
と嬉しそうに言った。
看護士もうんうんと頷いている。