あなたの手で

夢じゃない?

えっ!?

ウソ!?

でも…。

敬一は私の方を見ると、
ニッコリと微笑んだ。

その笑顔は、
弱々しかったけど、あのときの面影はしっかり残っていた。
敬一は、
私がずっと握っている自分の手をみて、幸せそうに笑い、

「嬉しいな…。」

と聞こえないくらいに小さな声でポツリと言った。


私はとりあえず、
意識が戻ったのだからと思い、

ナースコールを押した。

すると、
すぐに看護士と医師が敬一の病室に来た。

みんな目を大きく見開き、
驚いていた…。

私もいまだに、
このいきなりの展開についていけない…。

医師は、

「奇跡だな!!当分まだ入院が必要だが、良かった!!」

と嬉しそうに言った。

看護士もうんうんと頷いている。

< 23 / 30 >

この作品をシェア

pagetop