あなたの手で
敬一は、

「みなさん、どうもお世話様でした。本当にありがとうございました。先生、当分、入院ですか…。 」

とため息まじりにイヤだな~と呟きながら言った。

すると、みんな吹き出した。

そんなみんなをみて、
敬一は

「あと、どのくらい入院するんですか?」

と嫌そうに医師に聞いた。

医師は、

「まあ、君の具合次第だ!!今の君の状態をみてると、長くて1週間、早くて3日という所だな!!」

と言った。

敬一は不満そうに、
「わかりました。」
と言った。

医師は、

「それじゃ、そろそろ失礼するよ! 可愛い彼女と2人っきりにさせてあげないと!!何かあったら呼んで下さい。 それじゃまた」

と言って看護士と一緒に病室を出て行った。

私は安心したからか、
止まっていた涙がまた溢れてくる…。

敬一は私の頬に手を伸ばすと、

涙を拭ってくれた…。

「泣くなよ」

と笑いながら…。

『だって…ヒック…もう…一生ヒック…眠ったまんまなのかなって…ヒック…すごく…心配…したんだからヒック…』

と涙声で途切れ途切れに言った。

声なんてもうガラガラ…

声が枯れるなんて本当にあるんだね…。
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