あなたの手で

私は首を横に振った…。

私なんて何もできなかった…。

私のせいで事故にあったんだ…。

お礼を言われる資格なんてないよ…。

でも嬉しかった。

私の気持ち…届いたんだ…。

それに目が覚めたとき、
1番に私の名前を呼んでくれた。

1番に私を見てくれた。

敬一は

「俺どのくらい眠ってたの?」

と聞いてきた。

私は

『1ヶ月』
と答えた。

敬一は驚いていた。
そして、

フッと笑い、私の頭を撫でて、

「ただいま!!」

と言った。

だから、

私は
『おかえり!!』

と笑顔で言った。


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