この恋にはルールがある
せめてもの現実逃避にとケータイをポチポチ―
―・・・永愛様・・・尊敬します。
そのどこから出してるか分からない甘ったるい声も嘘をつらつら並べられるトークスキルも私には全く真似できません。
むしろ、大学生と偽ってこの場にいることが恥ずかしいです。
なので、なるはやでこの場を立ち退きたく―
「―こらこらあ、茉桜ちい
ケータイばっか見つめて没収だぞお」
「あ、ちょっと」
恥ずかしさといたたまれなさから送ろうと思った永愛へのLINEだったが、
送信する前にケータイを奪われてしまった。
ってか、”茉桜ちい”って誰だよ!
初めて呼ばれたわ!
いつの間にか、
永愛の周りには沢山の男の人に溢れ近づくことさえ出来ない。
仕方なく、ひとり隅でお酒を飲んでみる。
ああ、どうして私はこんなところに・・・そもそもこれ私要らなくないか?
なんなら、来なくても良かったのでは―なんて事を考えてると私の目の前にひとり。