恋味甘い【短編集】
「おまじないスポット?」
俊哉がそんなこというなんて…(・Д・)


「ここに相合い傘を書くとな、いつまでも仲良くいられるんだ。」

少しの沈黙のあと―


「大好きだよ」

えっ

「ほら。」


俊哉はそこら辺に落ちている木の枝を渡した。



「これで彫るの?」

「あぁ。これ、深く彫れば彫るほどいいんだってさ。」



深く…


いつまでも仲良くいられる。


カリ・カリ



2人で大きく彫りの深い相合い傘を作った。


「よぉし♪完成!」


「一番目立ってるね。」

「そうだなっ」


小さく暗やみの中で、小さく笑いあった。


「じゃ出るかっ」


「うん。」





2人で作った、相合い傘は本物だから。


ね?



もう、惑わされない。

彫ってるとき、周りの相合い傘を気にしている自分がいたの。


もしかしたら、俊哉と違う子の名前があるんじゃないかって。。



でもね、もう大丈夫だよ。

俊哉を信じるからね。



―自分の気持ちを信じるからね―


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