恋味甘い【短編集】
「ただいま」


「お帰り。今日はちゃんと、門限前に帰ってきたじゃないかっ!」



だって、もう遅く帰ってくる必要ないもん。




「はぁー」

そのままベッドに寝た。



茜先輩のことは、知ってる。

美人で、クラスの中でも中心的、存在



そう。

あたしと正反対

俊哉と同じ感じ



どっからどうみても、2人は釣り合っている。


あたしの入る隙間なんて…


あんな美人に敵うはずがないじゃん。



敵うはずがない―?

じゃさっきの相合い傘は何?


さっきの告白は何?



あたしのこと、追いかけてくれないの?

家の前にまたいてくれないの?







さん

が来たから?


あの人が俊哉の前に現れたから?




あたしたちの前に現れないでよ。

















最悪。

こんな気持ちがあったなんて。


恨んでも仕方ないのに。



―いつの間にこんなに、好きになってたの?


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