恋味甘い【短編集】
「ねぇ、本当はどこに行こうと思ったの?」

「知らねぇ…」


・・・


「奈々。ごめんな。」

「えっ?」

いきなりで、びっくりした。



「俺が好きなのは、お前だけだから。」

髪をポンポンと撫でる。



でも…

「信じられないよ…。」


「あーもう!」

俊哉は自分の頭をくしゃくしゃにした。


そして、顔を真っ赤にした後、小声で『お前に惚れたんだよ。』と言った


―?

「理由になってないよ」


「あーもうギブ!」


大きな声を出したあと、あたしに教えてくれた。



俊哉があたしを好きになったきっかけが、去年の入学説明会のとき。

あたしのメアドが知りたくて、ちょうどそのとき茜先輩にあったらしい。そして・・・


『あたし、メアド持ってるから教えるよ?』

その一言からはじまって、メアド教えるといい、デートされて、あげくの果てに、付き合っているという、噂まで流されたらしい。

もちろん、茜先輩はあたしの、メアドをもってるはずがなく…。



最初に道路であったときは、イチャイチャしてるのではなく、そのことでケンカをしていたらしい。


< 30 / 68 >

この作品をシェア

pagetop