恋味甘い【短編集】
ガラッと勢いよくドアが開き、俊哉の声が響く。


「奈々屋上行こうぜっ!」

奈々の意見を聞かずに、あたしに『借りてくぞ』なんて言ってそのまま教室を出ていく。



「行ってらっしゃい〜」

頬杖をついたまま手を振る。




この学校であたしと俊哉が幼なじみってゆーのは、奈々しか知らない。


幼なじみって微妙なんだよね。


あいつを好きになるのは、いつもタイミングが悪い。


小6のとき、好きな子がいた。



その子とキスをしたその日に…俊哉のことが気になってしまう自分がいた。


そして今。。



あいつにまた恋をしてしまった。





自分の気持ちに気づいたのは―


奈々と俊哉の1ヵ月記念の日だった。


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