恋味甘い【短編集】
「奈々帰ろっ」



何日ぶりかな?奈々と一緒に帰るの。


「えっと、その…美咲、ごめんね。今日も俊哉と会う約束してて…」

―え?



昨日、約束したじゃん…

「ご・ごめんね」




そのまま、バタバタと教室を出ていった。


「…アイス」



「えっ?美咲アイス好きなの?」


横となりにいた友達が声をかけてきた。



違う。違うよ…

アイスが好きなんじゃない。


だって・・・



約束したんだもん―





―翌日―


「ごめん!美咲…」



今にも泣きそうな顔をして、謝ってくる奈々に何も言うことはできない。


普通は、親友が彼氏といいかんじなのなら、喜ぶものなんだよね。




普通は…か。


「いいよ。こっちこそラブラブ邪魔してごめんね。」




「ううんっあたしが悪かったよーごめんっ」


「大丈夫だって。」




大丈夫だよね―



うん。

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