恋味甘い【短編集】
泣くなんて、あたしらしくない
水で何回も顔を洗う。
昼休みにけじめをつけるために、俊哉に告白をした。
幼なじみの辛さからの解放。
やっと、言えた言葉。
もちろん俊哉からは、奈々が大事だとか、美咲を幼なじみとしか見れないって帰ってきたけど。
でも、あたしにはどうでも良かった。やっとの思いで言えたことだから。
もう、俊哉に対する気持ちもなければ、悲しみだってない。
だから、いつの間にかあたしは−いつもの顔で笑っていた。
「美咲ーこれから、一緒にどっか行かない?」
涙も完全におさまった放課後
もちろんあたしの答えは
「オッケー」
そして、行き先はアイス屋!!
ちょっと季節は遅れちゃったけど、今日だけは、最高に美味しかった。
「でね、今日も体育の時間にコケたの。それなのに、八巻ったら、走れって言うんだよ!?」
奈々はあたしに青たんを見せる
「奈々、どんだけコケてるのよ」
「コケたくてコケてるんじゃないよー!!」
ケンカをしていた一週間が嘘のように、アイス屋にきたのに、半分くらい食べて、その後はずっと話しをしたり笑っていた。