恋味甘い【短編集】


『八巻せんせーいぃ』


『っ!?…織愛、もうちょっと、静かに呼んでもらえる?』



『はぁーい 笑』


体育館を見るたび思い出す。

八巻先生は、臨時の講師の先生で半年だけあたし達の学校にいた。



『ねぇ先生!夏休み一緒にどっか行かない?』


『またそれかー。うーんそうだな…』





『織愛って数学苦手なんだよな!?』


『うん。ちなみに前回は43点♪』



『んじゃーその数学で90点以上いったら一緒に行ってあげるよ。』




って、えぇ?無理に決まってるじゃん! 泣




でもこんなチャンスもうないかもしれない。。



『や・約束だからね!!』




『俺も行っていい?』



−!?


連っ!




『おぉ谷原も行きたいのか。その代わり、お前もテストで90点以上だぞ?』



『任せてー俺、数学楽勝だから』



『先生!!一緒に行くって…』


『誰も2人でなんて、言ってないだろ?』



うわ、セコ・・・



いいやっ90点以上とれば、こっちのもんだ!連にはどっかに行ってもらえばいいし



よし、一週後のテストまでに勉強して、見せつけてやるっ


恋のパワーの強さを!!

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