恋味甘い【短編集】
『ふーんあっそう。』



『そうだもんっ!!』






結局あたしはそのあと、桜川先生のお弁当を食べた。


だって…自分で自分のおにぎりを食べたら予想以上にしょっぱかったんだもん;

悔しいけど、桜川先生のお弁当はあり得ないぐらい美味しかった。






昼ご飯も終わり、ボートを乗ることにした。



『せんせーい!乗ろうよっ』


『俺は疲れてるの。乗るなら、谷原と乗りなよ』




『嫌だよっ!!』


『おっ俺だって嫌だよ!』



『ふふふっ』


桜川先生は、お弁当のときから、あたしと連が口喧嘩をするたびに笑う。





八巻先生はやれやれと言って、ボートに乗ってくれた。



『先生こぐのうまいねー』

『まぁな♪』




やっやばっっ!!


2人きりで笑った顔を見せられると、心臓が破裂するよ…!!



『先生−』


『なんだぁ!?』



聞いてもいいのかな−−



『桜川先生って彼女?』


一瞬、先生の動きが固まった。



あぁ。やっぱり…





『ぷははははっ』


−?


『織愛まで、そう思ってたのかー。俺と桜川は、ただの同期だよ。』


−はい?



『多分、誤解の原因は、一緒にいることが多いってことだと思うけど、それは同期だってだけだしね。それにあいつ結婚してるよ?』







『−っ!?ま・マジでっ』




グラッ

『わっ!?』



あたしが勢いよく立ったせいて、ボートが揺れて…


勢いよく池に落ちた。


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