恋味甘い【短編集】
『あっ・・・』


ばったり連と会ってしまった




『…お前、泣いたの?』

『えっ』



先生に振られたあと、こっそり泣いた。


あれから、ちゃん顔洗ったのに・・・




『泣いて…ない。』

『ん。そう』




うわー気まずい。


『あのさぁ。お前さぁ…』




『う・ん…?』


『泣き顔より笑顔の方がなぁ、いいからさぁ…』



『うん…?』


なに言ってんの?




『だから、泣きたいときはおもいっきり泣けよ。そして…』


『泣きやんだら、また笑ってくれ。』




連の言葉で我慢してた涙腺がきれる




ずっと泣いた。


自分でもびっくりするくらい泣いた。



それを、連はずっと聞いていてくれた。







−泣きやんだら、また笑ってくれ−



うん。


また笑う。



連がいれば笑える気がするからさぁ…



『織愛ちゃーん。連くん。帰るわよ〜。』




『あ・はーい。』


『行くかぁ。』




『うん。』


先生の車に乗る。



2人はあたしと連が、いつもどおりになっているのを、驚いていた




『じゃ、出発な!!』


『は〜い!!』




その間、他愛のない話しをしていたら


いつの間にか…眠っていた



そして、先生たちの話しが寝ぼけているあたしに聞こえてくる。


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