恋味甘い【短編集】
『たく〜織愛にも連にもまいったよ。』


『なに…?』



『2人とも、大人だぁって思って。』


えっ?大人!?

早く先生と同じ大人になりたいと思っていたあたしには、意外な言葉だった。


『そうねぇ。さっきも、織愛ちゃんと湖でボードしてたでしょ?

そのときも、連くんずっと悔しそうな顔してたし。』


八巻先生は、ははっと笑う。


『それでか〜。
さっき、俺に織愛の事どう思ってるんですか?って聞いてきたんだ。』


『あら、そうなの。ふふっ』



連・・・

横をチラッと見たら、連は、ぐっすり眠っている。



『織愛もな、、』


あたし?


『俺に、告白してきたんだ。それで適当に言ったら、叱られて。』


先生はふぅと息をはく。




『俺が2人と同じ歳だったとき、こんなにしっかりしてたかなって思ってさ。』

『ふふふっ。そうねぇー』




そのあと、先生たちの話しになって


あたしもいつの間にか眠っていた。




あたしは、また次も先生と来ようと思っていた。


でもさ。



そんな甘くないんだよね。

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