恋味甘い【短編集】
『ようっ』
『よ・・・う。』
まだ暑い二学期の始業式。
八巻先生達と一緒に行った湖からはだいぶ経ったけど、連は結構…日焼けをしていた。
『黒・・・』
『それゃー海行ったもん。』
『一人で?』
『んなはずないじゃん。
中学のときの友達とかと…
ん?なに?一緒に行きたかったの?』
『バッカッ!誰があんたなんかとっ!!行くなら、八巻先生とがいいもん。』
『え・・・あ、そうだな。』
?
別に、冗談半分で言ったつもりだし、いつもの連だったら
お前、振られたくせに
とか、
もう夏終わるっつーの!
とか言ってくると思ってた
なによ…調子狂うじゃん。
疑問に思いつつも、チャイムがなり、しぶしぶ机に戻る。
『・・・なんでしょ?』
『えー。嘘ぉ!?』
『悲しいなぁ』
周りの女子達は朝から騒いでいた。
『なに?どうしたの!?』
『え、知らないの?織愛..』
『うん。教えて?』
友達の一言で、あたしは真っ白になった。
八巻先生、転勤しちゃったって。