恋味甘い【短編集】
『え?
何..それ』
『ほら、八巻先生って臨時の先生だったじゃん?だから、さ…』
あたしを気遣ってか、話しはそこで終わった。
『―っ..』
言葉が出なかった。
涙も出なかった。
呆気なくて。
嫌いだった体育が好きになった。けどまた嫌いになった。
苦手だった数学が好きになった。けどまた苦手になった。
最初に戻っちゃった。。
―ゴンッ
『痛っ!』
あたしの頭にほうきが激突した。
『あー悪ぃ悪ぃ。背がちっちゃくて、いるか分からなかった!』
『連っ!!あ、言っとくけど、あたしと連の身長差5cmしかないんだからね!』
『5cmの差は偉大だっ』
『どうだかね〜』
連との壮絶なバトルのすえ、あたしは『黒ん坊』と言う言葉を使って、勝利をつかんだ。笑
『織愛、連くんと話したりケンカしているときが、一番イキイキしてるね。』
『わかるーっ!八巻先生がいなくなったときは、スッゴい顔してたのにね。』
『えー!?ウソ最悪〜』
周りのみんなには否定したけど、あたしも連のおかげだってわかっている
湖に行ったときの約束だしね..
またずっと笑っていけるよ。