さよならが沈んでいく。


種まきの日、はじめましての日、自己紹介。


霧吹きでの水やりの日、2回目の会話の日、趣味の話。


しばらく霧吹きを続けて、しばらくお互いのすきなことを話す日々を過ごして、1週間と数日。


発芽し始めてジョウロでの水やりの日、片手じゃ足りない回数になった会話の日、ちょっとだけ恋の話。


先輩は、『すきなひとがいる』と。


私はなんだかくるしくなって、いたくなって、『そうなんですね』って。ジョウロの中いっぱいの水を、地に零しながら、返した。

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