さよならが沈んでいく。
花が咲いた日、先輩が寂しげな顔をしていた日、恋愛相談。
『告白って、してもいいのかな』
『――わ、かりません……』
そっか。先輩はごめんね、と笑って、そして、帰ってしまった。またねが減っていく。
先輩が来ないことが多くなって、受験生だもんなって思いながら、ひとり、花を育てた。
たったそれだけで、なんだか泣きそうになってしまった。
それからは、たまに会話をするくらいになって。よけいに、切なくなって。
風の噂で、先輩が大学に合格したことを知った。