月夜見の女王と白銀の騎士
ランベルトはメアリの予知能力については知らなかったはずだ。
だが、謁見の間でランベルトは言った。
『落ち着いてなどいられるものか! ああ、やはりあの者の言った通り、お前は魔女だ!』
誰かにティオ族の巫女の力のことを聞いたとすれば、モデストのように利用するため捕らえるのも頷ける。
ただ、これほど大胆に動けば疑われるのは必須。
『そう……そうだ。私は選ばれたのだ』
ランベルトの様子もおかしかく見えたので、正常な判断ができなくなっている可能性もあるが、何にせよ従者についての聞き込みは必要だろう。
ランベルトの屋敷を訪問し、問質すついでに屋敷や近辺に怪しいところはないか探ればいい……と、そこまで考えて、ユリウスはメアリの予知を思い出した。
「ダイヤ……ダイヤの形をしたステンドグラスの教会はありますか?」
「教会?」
ユリウスの質問に、イアンが眉を寄せる。
「先日、満月の晩に陛下が」
濁す形で伝えるユリウスに、予知能力を知る者たちはハッと目を見開いた。
イアンがやや前のめりに円卓に手をつく。
「陛下は他に、何か言っていたか?」
「教会には様々なモチーフの像と、周りには林が視えたと。それから……誰かに抱えられていたとも」
メアリが視た予知夢のキーワードを伝えると、イアンは小さく数度頷いた。
「該当するかはわからないが、ランベルト大侯爵の屋敷裏に広い林がある。中に入り奥に進むと、今は放置されている教会があったはずだ」
オースティンも知っているようで、しかしステンドグラスの形状までは不明だと語った。
だが、謁見の間でランベルトは言った。
『落ち着いてなどいられるものか! ああ、やはりあの者の言った通り、お前は魔女だ!』
誰かにティオ族の巫女の力のことを聞いたとすれば、モデストのように利用するため捕らえるのも頷ける。
ただ、これほど大胆に動けば疑われるのは必須。
『そう……そうだ。私は選ばれたのだ』
ランベルトの様子もおかしかく見えたので、正常な判断ができなくなっている可能性もあるが、何にせよ従者についての聞き込みは必要だろう。
ランベルトの屋敷を訪問し、問質すついでに屋敷や近辺に怪しいところはないか探ればいい……と、そこまで考えて、ユリウスはメアリの予知を思い出した。
「ダイヤ……ダイヤの形をしたステンドグラスの教会はありますか?」
「教会?」
ユリウスの質問に、イアンが眉を寄せる。
「先日、満月の晩に陛下が」
濁す形で伝えるユリウスに、予知能力を知る者たちはハッと目を見開いた。
イアンがやや前のめりに円卓に手をつく。
「陛下は他に、何か言っていたか?」
「教会には様々なモチーフの像と、周りには林が視えたと。それから……誰かに抱えられていたとも」
メアリが視た予知夢のキーワードを伝えると、イアンは小さく数度頷いた。
「該当するかはわからないが、ランベルト大侯爵の屋敷裏に広い林がある。中に入り奥に進むと、今は放置されている教会があったはずだ」
オースティンも知っているようで、しかしステンドグラスの形状までは不明だと語った。