月夜見の女王と白銀の騎士
その中で、ライルが「白夜の神殿、か」と思案し腕を組んだ。
イアンはモノクルの位置を指で直し、ライルを見据える。
「もしやご存知で?」
「母上が昔聞かせてくれていたおとぎ話に、そんな名の神殿があったなと思っただけです」
ライルの母とはもちろんフォレスタットの女王のこと。
メアリが「どんな話なんですか?」と興味を持った。
「女神様に愛された子供のひとりが悪い王様に誘拐されて、まあ紆余曲折ありながらも恋に落ちて幸せになるっていう至極ありふれたおとぎ話ですよ。で、その愛された子供たちが住んでたのが白夜の神殿という名だった気がするんだが……子供が神殿に住んでるってのもおかしいか。勘違いだと思うので、どうぞ忘れてください」
軽く笑んだライルは「それで、白夜の神殿の復活ですが」と本題に入る。
「俺としては、三国が共に会議する場を設立するのは大賛成です。この件は早めに返答した方がいい案件でしょうし、俺はまだ仕事でしばらく滞在させてもらう予定ですので、早馬をやって、うちの女王陛下に伝えましょう」
「はい! どうぞよろしくお願いします、ライル王子」
メアリが笑顔で頼み、その後も様々な話し合いを経て、メアリにとって初となる此度の同盟会議は成功に終わった。
イアンはモノクルの位置を指で直し、ライルを見据える。
「もしやご存知で?」
「母上が昔聞かせてくれていたおとぎ話に、そんな名の神殿があったなと思っただけです」
ライルの母とはもちろんフォレスタットの女王のこと。
メアリが「どんな話なんですか?」と興味を持った。
「女神様に愛された子供のひとりが悪い王様に誘拐されて、まあ紆余曲折ありながらも恋に落ちて幸せになるっていう至極ありふれたおとぎ話ですよ。で、その愛された子供たちが住んでたのが白夜の神殿という名だった気がするんだが……子供が神殿に住んでるってのもおかしいか。勘違いだと思うので、どうぞ忘れてください」
軽く笑んだライルは「それで、白夜の神殿の復活ですが」と本題に入る。
「俺としては、三国が共に会議する場を設立するのは大賛成です。この件は早めに返答した方がいい案件でしょうし、俺はまだ仕事でしばらく滞在させてもらう予定ですので、早馬をやって、うちの女王陛下に伝えましょう」
「はい! どうぞよろしくお願いします、ライル王子」
メアリが笑顔で頼み、その後も様々な話し合いを経て、メアリにとって初となる此度の同盟会議は成功に終わった。