月夜見の女王と白銀の騎士
メアリは男に厳しい目を向ける。
「彼らに遅効性の毒を与えたんですか」
「そう。君を追い詰めるように依頼して、景気づけにうまーい酒をプレゼントしたんだ」
つまり、最初から全員殺すつもりだったらしい。
ライルが「外道が」と呟き、残忍さにユリウスが警戒を深めて睨む。
「なぜ彼女を襲わせた」
「それをあんたが知る必要はない。だからこいつらに毒を飲ませたんだし」
メアリたちには一切の情報を与えないよう口封じを施した男は、駆け付ける多くの足音を察知した。
「あー、もう時間切れか。それじゃあ、またね。月夜見の巫女様」
メアリをそう呼んだ男は、ひらりと身を翻し、軽やかな動きで屋根から屋根へと飛んで去っていく。
「あいつは俺が追う! ユリウスはメアリを連れて城に送れ!」
不審人物を追って走り出したライル。
入れ違いにやってきたのは、ルーカスが指揮する近衛騎士第二部隊の者たちだ。
ルーカスとウィルは、メアリの無事な姿を見て安堵の息を吐いた。
「ご無事でなによりだぜ。で、これはどういうことだ?」
ルーカスが地面に横たわる亡骸を見て問いかける。
ユリウスはならず者たちがメアリを襲おうとしたこと、ならず者たちを雇ったと思しき男が彼らを毒殺し、たった今逃亡したところをライルが追いかけたところだと報告した。
女王が狙われたとあって、第二部隊の面々に緊張が走る。
「彼らに遅効性の毒を与えたんですか」
「そう。君を追い詰めるように依頼して、景気づけにうまーい酒をプレゼントしたんだ」
つまり、最初から全員殺すつもりだったらしい。
ライルが「外道が」と呟き、残忍さにユリウスが警戒を深めて睨む。
「なぜ彼女を襲わせた」
「それをあんたが知る必要はない。だからこいつらに毒を飲ませたんだし」
メアリたちには一切の情報を与えないよう口封じを施した男は、駆け付ける多くの足音を察知した。
「あー、もう時間切れか。それじゃあ、またね。月夜見の巫女様」
メアリをそう呼んだ男は、ひらりと身を翻し、軽やかな動きで屋根から屋根へと飛んで去っていく。
「あいつは俺が追う! ユリウスはメアリを連れて城に送れ!」
不審人物を追って走り出したライル。
入れ違いにやってきたのは、ルーカスが指揮する近衛騎士第二部隊の者たちだ。
ルーカスとウィルは、メアリの無事な姿を見て安堵の息を吐いた。
「ご無事でなによりだぜ。で、これはどういうことだ?」
ルーカスが地面に横たわる亡骸を見て問いかける。
ユリウスはならず者たちがメアリを襲おうとしたこと、ならず者たちを雇ったと思しき男が彼らを毒殺し、たった今逃亡したところをライルが追いかけたところだと報告した。
女王が狙われたとあって、第二部隊の面々に緊張が走る。