きっとこれは眠れない恋の証明。

そうして、私は羽水社長に雇われた。

家に帰ればそこには父の姿は無く。
困惑する妹はもう子供ではないので、全てを隠さず話した。


──これまでの生活が一変するくらい年収は弾む。


そんな羽水社長の言葉は本当で、羽水社長の元で働きだしてから生活は一変した。

ご飯を毎日三食食べられるようになったし、毎日必要なだけの睡眠をとることができるようになった。夕方になれば家に帰れるようになった。小春と一緒に朝と夜は食事をできるようになった。小春のお弁当のおかずも増えた。普通の…いやそれ以上の、幸せな暮らしをようやく手に入れる事が出来た。

羽水社長には感謝してもしきれないくらい感謝している。



もしあの時、適当に声をかけた相手が羽水社長でなかったら。
そう思うとあまりに恐ろしくてゾッとする。


私は、羽水社長に助けられた。


そして、そんな羽水社長にいつしか恋心を抱くようになったのは、私にとって必然的で自然な事だった。
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