きっとこれは眠れない恋の証明。

「対談?相手は?」

「芝波プロダクションの社長さんです。まだお父様から事務所を引き継いだばかりだそうで、歳も羽水社長と変わらないそうです。女性の方です」

さっき事務所のホームページを少し閲覧したが、
最後のページに本当に小さく芝波社長の写真が載っていた。柔らかい雰囲気のとても可愛らしい顔をした人だと思った。

「芝波…」

羽水社長がそう小さく呟く。

「どうかされましたか?」

どこか訝しげな表情をした羽水社長にそう尋ねると、誤魔化すように何でもないよと笑って返された。

その時は私も、羽水社長が何でもないというのなら羽水社長の表情がどこか意味深に感じたのもただの私の思いすごしだろうと思っていた。


───が。


あの対談の内容だ。
一体羽水社長は何を言い出すんだと最初は気が気でなかったが、どうやら対談…というか羽水社長とインタビュアーは思いの外盛り上がっていた。顔を真っ赤にして驚き続けている様子の芝波社長は、女の私から見てもとても可愛いらしかった。

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