きっとこれは眠れない恋の証明。

ただここで正直に白状すると、一連の流れを全て白状する事となる。

「そ、そうだよ」

「へぇ。で、誰に連れて行って貰ったんだ?」

あまりにスムーズに嘘を見抜かれ受け流され、思わずこけてしまいそうになった。

やっぱり京に嘘はつけないのだとショックを受けながらポツリと本当の事を話す。

「その…羽水社長とたまたま会って、それで一緒に」

「は?」

呆気にとられたように、京がポカンとした表情になって一瞬固まった。

「…いや、一体どういう偶然があったら羽水社長と一緒に買い物に行く流れになるんだ。それもスーパー」

どういう偶然。

そう聞かれて、隠すような事でもないとスーパーまでの道を迷っていたら知らない人に声をかけられ、困っていた所を羽水社長の秘書の早瀬さんに助けて貰い、そのまま羽水社長に知らない二人組を追い払って貰い…と、そこに至る経緯を全て京に話した。
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