きっとこれは眠れない恋の証明。
芝波桜 side
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「まぁいつまでも閉じ込めておくわけにもいかないからな。3日は駄目だ、とりあえず一週間」
京にそう言われてから6日が過ぎた。今日何もおこらなければこれで一週間が経つ。
今日何もおこらなければ…といっても、今はもう時計の針は7時を指していて今日が終わるのもあと少しだと、芝波桜は部屋に掛けられた時計を見つめた。
6日間家に篭っていたが、テレビなんかでよく見るおかしな電話がかかってきたり変な訪問があったりなんて事は全く無かった。
私が社長に就任する事をよく思わない人達は沢山いる。そしてそんな事は私が一番よくわかっている。…きっと今回の事は、そんな人達の中の誰かがおこした嫌がらせなのだろう。
これで屈していればその人達の思う壺だ。だから明日からはきちんと事務所へ顔を出して、ちゃんと認められるように仕事を頑張ろう──
そう、思っていたのに。
「社長就任パーティーは、中止にしようと思う」
いつものように事務所での仕事を終え、家を訪ねてきてくれた京のそんな言葉に驚いて目を剥いた。
「え…」